中郷

中郷は中郷一村の郷です。地頭仮屋は前畑にあり、周辺に麓がつくられました。 江戸時代中期に藩の事業で溜池が3か所つくられ、中郷村・大小路村の100町歩の水田が灌漑され、このうち寛文6(1666)年完成の中郷下池は県内の溜池の中で最も古いものとされます。三国名勝図会によれば、中郷の菩提寺に大平山安国寺がありました。暦応2(1339)年に足利尊氏の一国一寺の命によるもので京都南禅寺末・寺領300石という大きなお寺でしたが、豊臣秀吉が侵攻した際に焼失、また規模が縮小されその後は伊集院広済寺の末寺となりました。さらに宝永5(1708)年災害によって記録を失っています。 中郷は明治3(1870)年に東郷と合併しています。