15.香梅ケ渕

美しい場所に伝わる悲しい物語

喜入旧麓の東側を流れる八幡川は玉繁寺近くで大きく蛇行し、その場所を香梅ヶ渕と呼んでいる。その名の由来については下記のような悲話が伝わる。 昔、喜入の殿様が家来などとこの場所で宴を開いた際、侍女である香梅という美しい女性の帯が擦れ、音が出てしまった。その音がおならのようであり殿様などが香梅によるものと思ったため家来の一人が「川に杯を流して下流に流れれば香梅は潔白である」という提案をした。通常ならば杯は下流に流れるのが当たり前であるがこの場所は川が大きく曲がっているため香梅が流した杯は上流に流れてしまい、失望した香梅は渕に身を投じてしまった。このことがあってから香梅を偲んで渕にその名がつけられたという。